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  • 養育費の回収が楽になるかも?
  • 養育費の回収が楽になるかも?
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    樋口 紗弥

    こんにちは。樋口です。

    こちらのブログ記事で,養育費の支払いがない場合,債務者(多くが父親)の預金口座の差し押さえをしようと思っても,どこに預金口座があるかわからず,差し押さえができない場合も多い,とお伝えしました。このような状況が,改善されるかもしれません。

    9月12日の法制審議会で,養育費の支払を怠っている債務者に対する強制執行の実効性確保の観点から,民事執行法を改正し,財産開示制度を見直すことが議論されました。報道によると,法務省は,財産開示の見直しを含む民事執行法改正案を2018年以降の早い時期に提出したい考えだそうです。

    〇財産開示制度とは?

    財産開示制度とは,債務名義(判決等)を持っているものの,債務者に財産があるのかわからない,どこに財産があるのかわからない場合に,裁判所に開示の申立を行い,債務者の財産を開示させる手続です(民事執行法197条~)。

    裁判所が財産開示手続の実施を決定すると,裁判所が期日を指定します。債務者は,期日に出頭する義務,財産関係について陳述する義務があります。

    しかし,この義務に違反しても,罰則はなく,30万円以下の過料(行政罰が課される)だけであり,実効性はほとんどないと考えられています。

    財産開示の申立手続も面倒であることもあり,現在,財産開示制度は,ほとんど利用されていないようです(実際,私も利用したことはありません。)。

    〇今後の見通し

    報道によると,預金口座の有無を銀行に照会できる制度を設ける方針だそうでが,詳細は未定です。

    養育費の支払に限らず,勝訴判決を得ても,債務者の財産に執行できずに,判決が「絵に描いた餅」になってしまい,ご依頼者と共に悔しい思いすることは多いので,是非,実効性のある制度に改正していただきたいところです。

    養育費について債務名義を得ておくと,今後,民事執行法が改正された場合に,債務者への財産への執行が,今よりも容易になるかもしれません。

    現在離婚をお考えの皆さんは,「どうせ養育費を決めても払ってもらえない…」とあきらめるのではなく,将来の法改正を見越して,きちんと養育費について取り決めをするとともに,できれば公正証書等の債務名義を取得しておくことをお勧めします。

    離婚や養育費については,「離婚・男女問題」も是非ご覧ください。