その他法律問題

  • 立退料の決め方
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    樋口 紗弥

    こんにちは。樋口です。

    前回の「賃貸借契約の賃貸人からの解約」では、建物賃貸借契約の解約には、正当事由が必要であり、立退料は、正当事由の判断においては、補完事由であるというご説明をしました。今回は、特に居住用の建物の立退料について、もう少し詳しく説明します。

    1 立退料は、どのように算定するのか。

    結論からいうと、立退料の算定方法については、明確な決まりはなく、ケースバイケースで決められています。正当事由の補完要素という性質上、賃貸人の明け渡しの必要性が高い場合には、立退料の額は低くなり、その必要性が低く、賃借人が建物を使用する必要性が高い場合には、立退料の額は高くなります。

    居住用の建物の建物の場合には、移転経費(引越費用)、新規契約金(仲介料、礼金)、前家賃との差額、敷金の差額、借家権価格等を考慮すると考えられています。

    借家権価格は、地価の高騰当に伴う建物の資産価値の増加分について、借家人に配分されるべきものと考えられており、明確な基準はありませんが,不動産鑑定により算定されます。

    2  立退料が決まるまでの流れ

    通常は、賃貸人から立退料の金額が提示され、賃借人との話し合いを行います。

    話し合いがまとまられなければ、調停の申し立てや訴訟の提起がなされ、最終的に、訴訟において、裁判官が、不動産鑑定士が算定した借家権価格等を考慮して、立退料を判断することになります。

    賃貸人から最初に提示される金額は、引越費用+数か月分の賃料(差額)を提案される場合が多いようですが、引越費用だけの場合や、賃貸人の建物使用の必要性が高いことを理由に、そもそも立退料の提示がない場合もあり得ます。

    居住用建物の場合は、立退料について、訴訟に至るケースはそれほど多くなく、感覚的には、引越費用+半年~1年程度の賃料(差額)で合意するケースが多いように思います。

    このように、立退料については、算定方法がはっきりと決まっているものではありませんので、交渉の段階で(賃貸人の場合には、立退料提示の前に)一度弁護士に相談することをお勧めします。当事務所では、賃貸人、賃借人どちらのご相談もお受けいたしますので、当事務所の法律相談を是非ご活用ください。