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  • 交通事故において請求を忘れがちな損害について
  • 交通事故において請求を忘れがちな損害について
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    堀江 健太

    お知らせにも掲載しましたが、4月から月1回当事務所の弁護士がSTVラジオ「工藤じゅんきの十人十色」(毎週月~金曜日,午前10時から12時まで生放送)の1コーナーに出演しております。
    私も7月27日(月)に2回目の出演をして、交通事故において請求を忘れがちな損害について解説させていただきました。
    その内容について、ブログにも掲載いたします。
    なお,当事務所では交通事故の無料電話・メール相談を実施しておりますので,お気軽にご相談ください。

    入院雑費について

    事故で怪我をして入院するということになった場合、治療その者にかかる費用の他に様々な費用がかかります。たとえば、備え付けの冷蔵庫を使うのにカードが必要だし、寝間着を借りるのにも1日何十円とかかります。そういった費用が細々とかかるので、1日いくらと決まった額が損害として認められます。
    で、1日いくらなのかというところですが、これについては保険会社さんと裁判所が認定する額とが異なっています。具体的には保険会社さんは1日1100円もあれば十分でしょうといい、裁判所は1日1,500円くらい必要だろうと認定します。
    弁護士が間に入って保険会社に請求する時はもちろん1日1,500円で請求します。
    裁判所が認定する以上、それが法律的に正しい損害額のはずなのですが、保険会社は1,100円という基準を改めようとしません。言い方は悪いですが、被害者の無知につけ込んで、低い金額で示談しているという風に私としては見えてしまいます。

    付添看護料について

    これは、たとえば子供が怪我をして親が仕事を休んで入院や通院に付き添った場合であり、これも損害として認められます。
    細かい話しをすると、これって被害者自身の損害ではないのでは?とか、主婦だったり仕事に合間に付き添った場合は損害は発生しないのでは?とかの疑問があるのですが、そういったことは抜きにして一律に損害として認めましょうということになっています。
    金額ですが、入院の場合で1日6,000円程度、通院の場合で1回3000円程度が認められます。
    さきほど説明した入院雑費はこちらから請求しなくても通常保険会社は金額の多い少ないはさておき支払項目の中にきちんと入れてきます。
    しかし、この付添看護料については、こちらから請求する前は支払項目に載ってないということも珍しくありません。
    そして、この付添看護料も入院雑費と一緒で、保険会社が支払いますよと言ってくる額は裁判所が認定する損害額の3分の2くらいの金額です。
    ちなみに付き添えば必ず認められるというものではなくて、被害者が高齢者や小学生以下だったり、成人の方でも怪我の程度が重くて、付添いがないと困るという状況であることが必要ですので、ご注意下さい。

    買い替え諸費用について

    こちらに全く過失が無い場合でも修理代が全額支払われない場合があります。それは修理代が事故に遭う前の車の時価額を上回る場合です。
    たとえば新車登録から5年くらい経った軽自動車に乗っていて、同じ程度の年数・走行距離の中古が50万円くらいするとします。
    その場合に、事故による修理代が80万円かかる場合、同じ程度の車が50万円なのに加害者は80万円を払わなければならないのか、ということになり、法律的には車の時価額である50万円を賠償すれば良いということになります。
    こういったことは結構あります。特に年式が古い車だと、軽微な事故で無い限り時価額より修理代の方が高くなります。
    さて、保険会社はこうした場合車の時価額がこれこれだからいくら支払いますという話をしてくるわけですが、当然その場合被害者としては車を廃車にして新しい車を買うということになります。
    問題は車の時価額を賠償されれば、そのお金だけで新しい車が手に入るのかということで、当然ですが、そうはなりません。なぜかというと車を買う時には消費税や自動車取得税やなどの税金がかかりますし、また検査や登録などの手続費用もかかります。
    このような買い替えにかかる諸費用は損害として請求できるのですが、忘れられがちなので注意して下さい。
    これについては保険会社の方から支払うと言ってくることはほぼ100%ありません。また、こちらから請求してもなかなか払おうとしないのが実情です。
    もし、弁護士費用特約という弁護士に依頼する費用がカバーされる特約を付けているなら、弁護士に依頼して交渉をしてもらった方が楽です。最近は選ばなくても標準で付いていたりするので、ぜひご自身の保険をチェックしてみて下さい。

    評価損について

    これも保険会社はまず認めない損害の一つで、事故によって車の価値が落ちたことを損害とするものです。
    たとえば車が納車されて1週間で大きな修理を必要とするような事故にあったとします。きちんと修理されたとしても一度事故に遭った車になんか乗りたくないということで修理された車を手放した場合、事故前の車と事故後修理された車は同じ価値でしょうか。
    ここは考え方の別れるところで、きちんと修理されているのであれば価値は同じだという考え方もあれば、そうじゃないという考え方もあります。
    ただ、中古車を買ったことのある方であればご存じかもしれませんが、中古車を販売する場合には必ず「修復歴」があるかどうかを表示しなければならないことになっています。購入する側からすれば、他の条件が全く同じであれば修復歴が有る車よりは修復歴が無い車を当然選ぶことになるので、修復歴が有る車は価格が下がります。
    ですので、やはりきちんと修理されていたとしても価値は下がるというのが常識に沿った考え方だと私は思います。
    この評価損については裁判でよく争われていて、認められない場合も結構あります。先ほどの例のような場合だとあまり問題ないですが、購入からある程度経った車だったり、元々の価格が安い車だったりすると修復歴の有り無しによってそれほど買取価格は変わらないためです。