ブログ

  •  > 
  •  > 
  • 交通事故車両について未修理・修理予定がない場合の修理費の損害
  • 交通事故車両について未修理・修理予定がない場合の修理費の損害
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    綱森 史泰

    交通事故によって車両が損傷した場合,修理が可能であれば,その修理費は必要かつ相当な範囲で車両所有者に生じた損害と認められ,事故加害者に対して賠償請求をすることができます。

    未修理・修理予定がなくても賠償請求ができる

    この修理費相当額の損害については,車両の所有者が実際に車両の修理を依頼して修理費用を支出した場合だけでなく,未修理の場合や修理予定がない場合であっても,交通事故によって現実に車両が損傷を受けていれば,損害が既に発生しているものとして賠償請求をすることが可能と解されます(未修理・修理予定のない車両についての修理費用を損害と認めた裁判例として,大阪地方裁判所平成10年2月24日判決自保ジャーナル1261号2頁)。

    見積書に記載の修理費用が相当であるかどうかが重要

    未修理・修理予定のない車両について修理費相当額の損害賠償請求をする場合には,修理工場が作成した修理費用の見積書等に基づいて修理費用相当額を算定し請求することになりますが,この場合には,実際に修理がなされ修理費が支払われている場合よりも,見積書の金額が相当であるかどうか問題となる場合が多いと考えられます。

    裁判においても,未修理・修理予定がない場合には,見積書の金額の相当性が慎重に判断されることになり,例えば,原告側が100万円の修理見積もりを証拠として提出したのに対して,被告側から反対の証拠として70万円の修理見積書が提出されたような場合には,被告側の反証が成功したものとして,修理費相当額は70万円であると判断される可能性が大きいものと考えられます(加藤新太郎「物損交通事故訴訟における要件事実と実務」市民と法81号2頁以下参照)。

    したがって,未修理・修理予定のない車両について修理費相当額の損害賠償請求をする場合には,修理済み車両の修理費を請求する場合に比べて,修理工場の作成した見積書に記載された修理が車両の損傷状況に照らして必要かつ相当な範囲のものであるか,修理費用が相当な額であるかなどの点に特に留意が必要と思われます。

    車両損害を含む交通事故の問題については当事務所の交通事故無料電話・メール相談にてご相談ください。