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  • タワーマンションを利用した節税への固定資産評価基準改定の影響
  • タワーマンションを利用した節税への固定資産評価基準改定の影響
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    綱森 史泰

    先日,「タワーマンションを使用した相続税の節税への監視強化について」というブログ記事を掲載いたしましたが,その後,タワーマンションを使用した相続税の節税への対策として,総務省が固定資産評価基準の見直しを検討しているとのニュース記事に接しましたので,このことについて少し解説したいと思います。

    固定資産評価基準とは?

    まず「固定資産評価基準」は,「総務大臣は,固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続(以下「固定資産評価基準」という。)を定め,これを告示しなければならない」とする地方税法388条1項の規定に基づいて,総務大臣が「告示」という形式で定めるものであり,固定資産税を課する市町村の長は,固定資産の価格を決定する場合には,この固定資産評価基準によってこれを行わなければならないとされ(地方税法403条1項),決定された固定資産の価格は,固定資産課税台帳に登録されます(地方税法411条1項)。固定資産税は,この固定資産課税台帳に登録された固定資産の価格に一定の税率を適用することにより算出されることになります。

    固定資産評価基準と相続税の関係

    以上の地方税法の規定のみであれば,固定資産評価基準は,固定資産税額には関係するものの,相続税とは無関係であるようにも思われます。

    しかしながら,前回のブログ記事でも解説いたしましたとおり,相続税法上,相続財産の評価は「時価」によるものとされておりますが,現実には財産の価値を客観的に評価して一義的に確定することは困難であるため,国税庁長官が「財産評価基本通達」により財産の評価に関する基本的な取扱いを定めており,現実の相続財産の評価はこの通達に従って行われています。

    そして,この財産評価基本通達では,「家屋の価額は,その家屋の固定資産税評価額……に別表1に定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する」として,家屋(マンション)について固定資産税評価額をベースとして評価することが定められております。このような通達の規定があることから,本来地方税法上のものである「家屋の固定資産評価額」やその決定基準となる「固定資産評価基準」が,相続財産の評価や相続税額にも影響してくることになります。

    固定資産評価基準改定がタワーマンションを利用した節税に与える影響

    前回のブログで解説致しましたとおり,タワーマンションを使用した相続税の節税の仕組みは,通達に基づく評価額と実際の取引価格との間の差額を利用するものですが,仮に固定資産評価基準の改定により,通達に基づく評価額が実際の取引価格に近づき,その間の差が小さくなれば,このような節税方法は困難となることが予想されます。

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