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  • 養育費の変更について
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    樋口 紗弥

    札幌にバラの季節がやってきました。当事務所近くの大通り公園のバラも見頃を迎えており,先日は,外出帰りに,少し寄り道して,色とりどりのバラを楽しんできました。

    さて,二度にわたり養育費をテーマにしてきましたが(統計でみる養育費養育費の決め方),今回は,「一度決めた養育費は変更できるのか?」というテーマについて,ご説明します。

    1 養育費の変更は可能?

    養育費の支払期間は,子どもが18歳または20歳になるまで続き,長期にわたることが多いので,支払期間中に,両親の収入状況等が変わってしまうことがあります。

    たとえば,養育費の増額を求める事情としては,
    ① 母親が病気になって,仕事を辞めざるを得ず,収入が大幅に減ってしまった。
    ② 子どもが,私立の学校に進むことになり,高額の学費が必要になった。
    等が考えられます。

    これに対し,養育費減額を求める事情としては,
    ③ 父親が再婚し,再婚した妻との間に,子どもが生まれた。
    ④ 父親が転職したら,収入が減ってしまった。
    等が考えられます。

    また,支払期間の変更を求める事情として,
    ⑤ 子どもが18歳になるまで養育費を支払うとの取り決めであったが,子どもが大学の進学を希望しているので,22歳まで養育費を支払ってほしい。
    という場合が考えられます。

    このような場合,養育費の金額や支払期間を変更することは可能でしょうか。

    結論からいうと,事情の変更が生じたときは,金額の変更(増額・減額),支払期間の変更ができます。

    どのような場合に,「事情の変更」が認められるかというと,
    (1)顕著かつ重要な変更が生じたこと
    (2)従前の協議のときに,事情の変更を予測することができなかったこと
    (3)これまでの金額,期間が実情に合わず,不合理であること
    の3つの要件を満たす場合とされています。

    具体的な事情にもよりますが,上記①~⑤の場合には,「事情の変更」と認められる可能性が高いと思われます。

    手続としては,まず当事者間で協議をし,協議で決まらない場合には,調停を申し立てることになります。調停でも,合意に至らない場合には,審判で定めることになります。なお,前回ご説明したとおり,当事者間の協議で合意ができた場合には,公正証書を作成し,強制執行ができる形にしておいた方が良いでしょう。

    2 養育費は,どのように変更されるの?

    養育費の算定については,裁判官で構成される東京・大阪養育費等研究会の発表した「簡易迅速な養育費等の算定を目指して―養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案―」で示された算定表が,現在一般的に使用されています。算定表は,裁判所のHP等で見ることができます。

    ①,④の場合,事情変更後の双方の収入に基づき,算定表を用いて,養育費を算定することになります。

    ②,③の場合も,事情変更後の双方の収入に基づき計算することになりますが,算定表をそのまま使用することができず,複雑な計算が必要になりますので,弁護士に相談することをお勧めします。

    最初に述べたように,支払期間が長期にわたるという性質上,事情が変更してしまうのはやむを得ない場合もありますが,離婚時に(辛い思いをして)養育費を決めたのに,別れた妻・夫から,金額の増額・減額を求められると,余り良い気持ちはしないでしょうし,ときには感情的になってしまうかもしれません。また,別れた妻・夫と協議することに,抵抗を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
    しかし,養育費は子どもの生活に欠かせないものですから,事情の変更が相手方の主張どおり本当に認められるのか,変更後の金額をいくらにするのか等について,しっかりと協議する必要があります。

    当事務所では,様々な離婚・男女問題について,ご相談をお受けしております
    養育費の変更を請求したい,元配偶者から養育費の変更を請求された,という方は,お気軽にご相談ください。