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  • 労働関係を終了する、させる②~解雇【労働問題】
  • 労働関係を終了する、させる②~解雇【労働問題】
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    種田 紘志

    弁護士の種田です。

    前回の記事(労働問題を終了する、させる)でも予告しましたとおり、

    今回は、「解雇」についてお話をさせていただきます。

    解雇は、期間の定め(労働契約の有効期間の設定)のない労働契約を、
    使用者の側から終了させる行為を言います(一般的に「クビ」といった表現もされます。)。

    さて、この解雇ですが、大きく分けると3つの類型があると言われています。

    1つめは、労働者側の事情による解雇(「普通解雇」といった説明をすることもあります。)
    2つめは、使用者側の事情による解雇(経営上の理由を指すことが多く、「整理解雇」とも呼ばれます。)
    3つめは、懲戒規程に基づいた解雇(「懲戒解雇」とも呼ばれます。)
    です。

    それぞれの類型については、その有効性の判断過程に異なる点があることから、今回は、全体に共通する点をご説明し、その後第1の類型の説明をさせていただきます。

    ~全類型に共通すること~

    まず、解雇で重要となる点、共通する点としては、解雇は、労働者の生活への影響が大きいことから、
    解雇を有効に行うためには、厳しい要件が設定されています。
    それは、

    「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」

    というものです。
    これは労働契約法という法律の条文ですが、解雇については、この条文の記載を充たすかどうか、つまり①客観的に合理的な理由があるといえるか、と②解雇が社会通念上相当といえるか
    が重要なファクターです。

    労働者側の事情による解雇

    非常にざっくりと言うと、この場合の「合理的な理由」とは、労働者の労働能力や適格性が低下・喪失した場合や労働者の義務違反や規律違反行為(懲戒解雇になる場合にもありますが、今回はこちらの類型を想定します。)がが多いです。

    このうち、労働能力や適格性の問題については、まず、検討されるべき職種(や配置部署)の範囲の設定をすることとなります。

    例えば、タクシー運転手として採用された人が、その後二種免許を喪失し、運転手になれなくなってしまった場合であっても、
    使用者が他の職種を提供できる可能性もあることから、運転手になれなくなったことのみをもって解雇することは許されないとした裁判例が存在します。

    このように、職種の範囲を広くとるか狭くするかは、採用したときの業種からだけでは決まりませんので、ご留意下さい。
    また、個人的な経験からしますと、単純に能力不足だからという理由で解雇をした場合にはこの解雇が有効となるケースは多くは無く、勤務継続が困難となるだけの事情が求められているように思います。

    続いて、労働者の義務違反、規律違反についてですが、
    その義務違反行為だけを取り上げるのでは無く、そこに至るまでの過程など、幅広い観点から検討されることになります。

    また、上記の点が仮に存在するとしても、その理由から直ちに解雇が適正なものであったかというのはさらに検討が必要となります。
    先程もふれましたように、理由があったからといって、解雇が「相当」といえるかは別途考慮する必要があるからです。

    解雇というのは法的問題になりやすく、する方もされた方も、その有効性については一度弁護士へ相談した方が良いように思います。

    当事務所においても、労働相談は受け付けておりますので、
    お悩みの方、お困りの方は是非ご相談ください。
    詳しくは、労働問題のページ(労働者側)、(使用者側)をご覧下さい。