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  • 労働関係を終了する、させる③~整理解雇【労働問題】
  • 労働関係を終了する、させる③~整理解雇【労働問題】
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    種田 紘志

    弁護士の種田です。
    労働契約の終了についてこれまでお話をさせていただき、このシリーズは今回で3回目となります。
    3回目の今回は、使用者側の都合による解雇(「整理解雇})についてご説明いたします。
    (例えば事業縮小に伴う解雇など)使用者側の都合によって解雇を行う場合、その解雇は労働者側の事情を直接の理由とするわけではありません。
    したがって、前回のブログ(労働関係を終了する、させる②~解雇【労働問題】)でご説明した普通解雇の時と比べ、
    解雇が許容される場合がより限られると考えられています。
    では、どのような場合であれば解雇が許容されるのでしょうか(逆に言えば、どういう場合で無くては整理解雇ができないのでしょうか。)。
    この点について、裁判例においては、以下の4点を考慮して検討すると言われており、それにより、合理的な理由が存在するかといった点が判断されております。

    ①人員削減の必要性

    経営上の理由により人員削減をする必要性があると言えるかという要素を指します。
    この中には、人員を削減しなくては経営が立ち行かないという場面もあれば、経営方針が変更となり余剰が生じた場合もありえ、様々な場面が想定されるところです。
    この点について、裁判所は、資料等の提示は求める一方で、最終的には会社側の判断を尊重する傾向には有るようです。
    もっとも、だからといって全て会社の判断が尊重されるわけでは無く、
    会社が矛盾した行動を取っていたような場合(例えば、整理解雇を行いつつ新卒で採用を行っていた場合など)には、
    この要素は無いという判断がされる傾向にあります。

    ②解雇回避努力

    解雇を行う前に、解雇をできる限り回避するための手段を講じていたかという要素を指します。
    ここにいう措置とは、ありとあらゆる全ての措置、という意味では無く、
    その会社において、経営上合理的と言える範囲の努力を行っていたかという観点から検討されることとなります。
    (他方で、ありとあらゆる措置でなくてはならないという考え方もありうるところではあります。)

    ③人選の合理性

    整理解雇を行うに当たっての人選が恣意的なものでは無く、合理的で客観的な基準に依拠しているかという要素を指します。
    この要素に関しては、例えば、基準が開示されているか、基準が合理的なものといえるか、その基準を適切に適用しているかといった点を考慮することとなります。
    そしてこの基準については客観的なものである必要がありますので、
    例えば「責任感」、「協調性」といった抽象的な基準のみですと主観的にすぎないという判断がなされる傾向にあります。

    ④手続の妥当性

    解雇における規定がある無しに関わらず、労働者に対して、説明を行い納得を得るために誠意を持って協議しているかという要素を指します。
    規定がある場合には勿論その規定に基づいた履践がなされているかも検討されます。

    以上の点を複合的に検討して、有効性が判断されることとなりますが、複数の点を総合的に検討して判断がなされるため、
    専門的な検討が必要な分野では無いかと思います。
    整理解雇を検討されている方、納得のいかない整理解雇がなされた方などは、その効力の見通しについて、弁護士へのご相談をおすすめいたします。
    当事務所へのご相談につきましては、労働相談のページ(労働者側使用者側)をご覧下さい。