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  • 交通事故,膝関節の靭帯損傷(動揺関節)による後遺障害認定
  • 交通事故,膝関節の靭帯損傷(動揺関節)による後遺障害認定
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    横山 尚幸

    先日,交通事故によって,膝内側側副靭帯損傷を負った方のご相談を受けました。
    靭帯は,強靭な結合組織の短い束で,骨と骨とをつなぎ離れないようにする役割を持っています。
    膝関節には,前十字靭帯,後十字靭帯,内側側副靭帯,外側側副靭帯がありますが,このうち膝内側側副靭帯と膝外側側副靭帯は,膝の左右の安定を保つ働きをしています。

    膝内側側副靭帯損傷は,膝に外側から大きな衝撃が加わったときに生じるもので,ラグビー・相撲・サッカー等のスポーツや交通事故で受傷することが多いといわれています。
    症状の程度には段階があり,圧痛のみで外反不安定性をほとんど示さないものから,靭帯が完全に断裂してしまうものまで,三段階に分類されています。

    膝内側側副靭帯損傷により,歩行中に膝関節が外れそうになったり,踏ん張りがきかなくなったりしますが,このように関節の安定性機能が損なわれ,関節の可動性が正常より大きくあるいは異常な方向に運動可能になったものを動揺関節といいます。
    動揺関節は,下肢の機能障害に該当し,残存する障害の程度によって,次の後遺障害等級が認定される可能性があります。
     8級  常に硬性補装具を必要とするもの
     10級 時々硬性補装具を必要とするもの
     12級 重激な労働等の際以外には硬性補装具を必要としないもの
     12級 習慣性脱臼,または弾発膝

    動揺関節は,機能障害に分類されますが,機能障害は,痛いから曲げられないという疼痛による可動域制限とは,異なります。
    機能障害が認定されるには,関節の動きが制限される原因となる器質的損傷(=器質的損傷とは,外見上(レントゲンやMRI含む)明らかに損傷状態が認識されるもの)が生じたことが必要と解されております。
    なお,疼痛による可動域制限は,局部の神経症状(12級13号または14級9号)として等級評価がされることになります。

    膝の動揺関節を後遺障害として認定してもらうためには,
     ① 靭帯損傷を画像で裏づけること
     ② 動揺の程度を各種検査で裏づけること
     ③ 膝装具の作成と装具の必要性について主治医の指示が出ていること
    が必要です。
    器質的損傷については,膝のMRI画像や関節鏡検査で裏付けることになりますが(①),上記のとおり,後遺障害の認定基準では,動揺の程度に応じた装具必要性が基準とされているため,①のみならず,②③も必要とされております。

    ②については,徒手による,膝の痛みに有用な神経学的検査の実施し,靭帯損傷が動揺性を生じさせていることを明らかにし,ストレスX線撮影(ストレスレントゲン)でその裏づけを取ることが必要となります。
    ストレスレントゲンとは,徒手または器具で圧力をかけ,靱帯の損傷によって生じる骨のズレをあえて生じさせた状態でレントゲンを撮ることです。健側と患側を両方撮影し,それぞれストレスをかけた状態とかけない状態の二通りで撮影します。これによって明確な左右差がみられれば,膝関節の動揺性が明らかとなります。
    ストレスレントゲンは,治療に必用な検査というよりは,単に障害の程度を確認するための検査であるため,患者側でお願いしなければならないこともあるようです。

    後遺障害認定の判断のポイントを理解しているからこそ,アドバイスできることもあると思います。
    後遺障害でお悩みの場合には,当事務所の交通事故無料相談をご利用下さい。