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  • 労働関係を終了する、させる④~懲戒解雇
  • 労働関係を終了する、させる④~懲戒解雇
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    種田 紘志

    今回は、これまでブログに何度か書かせていただいた、労働契約の終了のうち、

    懲戒解雇
    についてご説明したいと思います。

    懲戒解雇は、同じ解雇といっても、「懲戒」の一環として行われるものですので、
    また、「このままだと懲戒解雇にするけど、自主退職と言うことにしたら退職金もあるし、お互いにとって良いのではないか」
    といった話をされて退職に至ったというような場合も経験をしたことがあり、このような話との関係についてもお話をさせていただければと思います。

    1 懲戒解雇の効果

    懲戒解雇の場合、その多くが、解雇予告手当なしにされることが多いと思われます。
    これは、法律上、労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合には解雇予告手当の支払義務が無いと定められていることが理由となります。

    このほか、会社によっては、通常であれば支払われるはずの退職金の一部あるいは全部を不支給とするという取扱いをしているところもあるかと思います。
    この点に関しては法律上明文の規定があるわけでは無く、会社毎における退職金の定め方、性質や懲戒事由の内容に基づいて検討をすることとなります。

    2 懲戒解雇の要件

    懲戒解雇は懲戒の一環ですので、まずはその判断は、(諸説有るところではありますが)
    懲戒の規定に基づき判断されることとなります。

    もっとも、その判断基準については、以下のとおり定められており、これまでご説明した、他の解雇の場合と文言としては余り変わらないのではないかという印象を持たれるのではないかともいます。
    労働契約法15条
    「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、
    その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効とする。」

    文言として、違いがあるのは、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、」という点が大きいと思われます。
    これは懲戒の中身に入る前の大前提となるものです。
    そもそも、会社は自由に懲戒処分を行うことはできません。

    まず、懲戒を適法に行うためには、懲戒の理由となる事由(このようなときに懲戒がされるというもの)及びこれに対する懲戒の種類・程度が
    就業規則において規定されることが必要となります。
    (勿論、就業規則は有効なものでは無くてはならず、どのような場合に就業規則が有効となるかは、
    以前の記事「就業規則によって労働条件を変更する」をご覧ください)

    その前提を充たした際に、上記法律の規定に従って、判断がなされることとなります。

    3 おわりに

    懲戒解雇は会社として行うに当たっては非常にハードルが高いものですし、
    労働者としても、不利益が大きいものです。

    それ故、懲戒解雇をにおわせつつ退職へと導くといったことも起こっておりますが、
    これらの有効性等につきましては、極めて慎重に行われるべきものと考えます。

    したがって、懲戒解雇が関連する退職等については、弁護士への相談が必要不可欠では無いかと思っています。

    当事務所では、使用者の方、労働者の方いずれの方からもご相談をお受けしておりますので、
    ご自身のことなどでお悩みの方がいらっしゃいましたら是非ご相談ください。