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  • 同一労働同一賃金とは?~裁判例を踏まえて~
  • 同一労働同一賃金とは?~裁判例を踏まえて~
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    種田 紘志

    弁護士の種田です。

    今回は最近話題となっている、「同一労働同一賃金」という点について解説します。

    「同一労働同一賃金とは?」

    同一労働同一賃金とは、例を挙げて言うと、同一の業務を行っているにもかかわらず、賃金の差が設けられることは許されないという考え方のことです。

    近年、派遣社員や有期雇用の方の待遇面などで問題になることが多くなっていることから、この議論が進んできました。

    実際、政府において必要な対策を制定後3年以内に講じなくてはならないした、

    「労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律」と言う法律も存在します。

    同一労働同一賃金が問題になった裁判例

    この点に関し、今年の9月にある判決が東京地裁から出されました。

    (ニュースにもなりましたのでご存じの方もいるかと思います。)

    この事件は、正社員と非正規社員との間で、労働内容は概ね同じにもかかわらず賃金格差が設けられていることが問題となったものです。

    ※正社員と非正規社員との間において、非正規であることを理由とした労働条件の違いについては、職務の内容等に照らして不合理なものとなってはいけない、という労働契約法の点が問題となっております。

    この事件においては、非常に多くの労働条件が問題となっています。

    (例えば年末年始勤務手当、早出勤務手当、住居手当、夏期冬期休暇など10項目)

    これらについては、その性質等が一つ一つ検討されることとなりましたが、

    最終的に不合理と判断されたのはこのうち4項目のみとなり、また、その中には夏期冬期休暇が含まれていたことから、

    金銭的な請求という意味では2項目(の一部)のみ請求が認められるに留まりました。

    ですので、この裁判例の評価としては、非正規の方の格差を是正する判決という評価もある一方で、一定の区別が認められた判決という評価も出来るかと思います。

    専門家の目を通した検討を

    このように、非正規の方の格差というものは、一部は不合理だけれども、他の部分は合理的との結論になる可能性があり、

    格差が生じているものの性質等から慎重に検討する必要があります。

    当事務所においても労働者の方からのご相談を受け付けておりますので、

    労働条件に関し差があるけどこれは妥当なのか、とお悩みの方は是非一度ご相談下さい。