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  • 非器質性精神障害について判決で交通事故との因果関係が認められた事例
  • 非器質性精神障害について判決で交通事故との因果関係が認められた事例
    堀江・大崎・綱森法律事務所

    ※この記事を書いた早坂悟郎弁護士は平成27年10月12日をもって当事務所を退所・独立いたしました。

    弁護士の早坂です。

    先日,交通事故に遭いこれをきっかけに全般性不安障害という精神症状を発症してしまった方について,後遺障害等級14級を認める判決が下された事例がありました。

    この方は,事故により脳に障害を負ったという訳ではありませんでしたが,事故に遭ってしまったショックにより,外を出歩くことが怖くなり,突然不安な症状に襲われ,動悸,振えが止まらなくなるという重篤な精神症状が生じました。事故後間もなく,精神科医師より「全般性不安障害」の診断を受け,抗不安薬等の処方を受けることになりました。

    その後,被害者の方は,事故による首の痛みの治療のため脳神経外科病院を受診し,同病院の医師より,首の治療の薬と合わせて,不安障害についても抗不安薬等の処方を受け始めたため,精神科への通院を中断しました。

    自賠責の被害者請求を行ったところ,後遺障害認定は「非該当」の結果でした。理由は「精神科の専門医の治療について中断期間があり,事故と精神症状との因果関係が認められないため」というものです。

    そこで,訴訟を提起し,(1)抗不安薬の処方を受け続けており症状が回復したわけではないこと,(2)被害者の方がつけていた事故後の日記からも不安症状は明らかに見てとれることを立証した結果,交通事故による精神症状が残存しているものとされ,非器質性精神障害として14級の後遺障害を認める判決が下されました。

    今回のような,脳に損傷が認められない非器質性精神障害については,自賠責は後遺障害の認定に消極的な傾向があります。しかし,事故後きちんと日記をつけ,治療のために精神科病院に通院を継続することで,裁判において事故と因果関係のある後遺障害を証明できる場合があります。

    交通事故に関する相談をご希望の方は,当事務所の交通事故の無料相談をご覧ください。

    ※この記事でご紹介した裁判例(札幌地裁平成25年3月27日付判決)が,交通事故の裁判例を紹介する専門雑誌「自保ジャーナル」1899号125ページに掲載されました。