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  • 交通事故によるTFCC損傷について
  • 交通事故によるTFCC損傷について
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    大崎 康二

    最近は,偶然かもしれませんが,交通事故によってTFCC損傷となった方から相談や依頼をお受けする機会が増えています。

    TFCCというのは,正式には三角線維軟骨複合体という名称の手首の部位のことであり,これは三角線維軟骨(TFC),手関節尺側側副靭帯および掌側と背側の橈尺靭帯などを含む手関節の尺側支持機構からなるとされています。このTFCCが損傷した状態をTFCC損傷といいます。

    交通事故の場面に限って言えば,交通事故によって転倒して手をついた場合や,ハンドルを握った状態で交通事故に遭った場合のように,手首に過度の荷重がかかった場合に,TFCC損傷が発生するようです。

    TFCC損傷になると,手関節の疼痛や手首を捻る際の可動域制限が症状として現れます。特にタオル絞りやドアノブの開け閉めなどの手関節のひねり運動の際に疼痛が発生することが多いとされており,TFCC損傷となったことによる日常生活への影響は重大です。

    TFCCは軟骨組織で構成されているため,TFCC損傷の有無は通常のレントゲン検査では明らかにならず,MRI検査もしくは関節造影検査などが必要とされています。

    そうすると,TFCC損傷については,初期のレントゲン検査では異常なしとされたものの,その後,手首痛が治らなかったためにMRI検査を受けて初めて診断されるという経過を辿ることが一般的です。交通事故から一定期間経過しないと診断を得られないというのが通常なのです。

    また,MRI検査をしたとしても,MRI画像上の微妙な色調の変化からTFCC損傷の存在を読み取るのは,手首の専門医でなければ難しいのが現状です。後遺障害等級認定の担当者は,医学的には素人であり,手首について医学的な専門知識があるわけではありませんから,担当者がMRI画像からTFCC損傷の存在を読み取ることもまた難しいのが現状です。

    そのため,TFCC損傷については,後遺障害等級の認定手続の中では,診断時期が交通事故時とずれることや,画像上明瞭に確認できないことを理由に,等級が認められなかったり,低い等級の認定結果しか認められないことが多いという印象を受けています。

    おそらくは,このような背景があって,交通事故によってTFCC損傷を負った方が弁護士に相談するという機会が増えているのではないかと思います。

    このような場合には,手首の専門医にMRI画像の解析を依頼し,TFCC損傷の存在を明らかにした上で,後遺障害等級の異議申立を行ったり,民事訴訟を提起することで,適切な後遺障害等級の認定を受けることが必要になります。

    TFCC損傷のケースで民事訴訟を提起すると裁判官からは,TFCC損傷とはなんぞや,という態度を取られることが多く,まだまだ民事訴訟の実務では認知度が低い傷病といえます。

    我々弁護士も積極的にTFCC損傷のケースに関与することで,TFCC損傷の被害実態を訴えていくことが必要だと考えています。

    堀江・大崎・綱森法律事務所では,交通事故損害賠償の無料電話相談・無料メール相談を実施しておりますので,ぜひご相談ください。