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  • 醜状障害による逸失利益は?交通事故の後遺症「外貌醜状」について
  • 醜状障害による逸失利益は?交通事故の後遺症「外貌醜状」について
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    大崎 康二

    外貌醜状による後遺障害等級の認定について

    交通事故の被害者が外貌に醜状痕(しゅうじょうこん:人目につく程度以上の傷跡のこと)を残すような怪我を負った場合,その醜状痕の位置や大きさなどによって,後遺障害等級の認定を受けることがあります。具体的には,その程度に応じて,「外貌に著しい醜状を残すもの」と認められた場合には7級,「外貌に相当程度の醜状を残すもの」については9級,「外貌に醜状を残すもの」については14級の等級の後遺障害認定を受けることになります。

    主婦や男性は醜状障害による逸失利益が認定されづらい?

    このように外貌醜状について後遺障害認定を受けた場合には,その逸失利益(将来得られるはずであった収入が減少することによる損害)をどのように認定するのかという点が問題になることがよくあります。特に被害者が主婦や男性である場合には,保険会社などからは,逸失利益が発生しないとして,逸失利益を0円として示談の提案を受けるということがあります。

    このようなケースについて,以前(昭和50年代ころまで)は裁判所も,女性の中で外貌が職業に重大な影響を与えるホステス,モデルなどの特殊な職業に就いている場合に限って逸失利益を認め,その他のケースについては,逸失利益を否定するという傾向がありました。

    近年の裁判所による認定傾向は変わりつつある

    将来性を考慮した裁判例や男性も逸失利益を認められる傾向へ

    しかし,その後は,産業構造の変化や外貌に関する意識の変化から,裁判所の認定傾向は大きく変更されてきています。具体的には,職業の内容,年齢,性別,後遺障害の程度などから醜状痕の存在によって配置転換させられたり,職業選択の幅が狭まるなど,労働能力に直接の影響をおよぼす可能性がある場合には,逸失利益が認められる傾向にあります。

    このような発想から,女子の幼少児については,逸失利益が認められやすくなっていますし,主婦の方の場合でもあっても,年齢等から将来の就職の可能性が残されている場合には,後遺障害の程度も勘案して逸失利益を認める裁判例も出てきています。

    さらに,男性については,女性に比べると逸失利益が否定される傾向が強いものの,著しい醜状を残すような場合には,年齢や職業を勘案して逸失利益が認められることがあります。

    逸失利益が認められない場合は後遺障害慰謝料の増額も

    また,逸失利益が認められないという場合でもあっても,醜状痕の存在によって,職場内外部の対人関係が消極的になるなどして仕事の効率や意欲を減退させるといった労働能力に対する間接的な影響が考えられるような場合には,後遺障害慰謝料の金額を増額するという裁判例も増えてきています。

    逸失利益が認められない場合は弁護士にご相談を

    このように,外貌醜状による逸失利益については,裁判の中でも比較的柔軟に認定されるようになってきているところですので,仮に保険会社から逸失利益を否定するという提示を受けたとしても,そこですぐに諦めるのではなく,逸失利益が認められる可能性があるのかについて,一度弁護士に相談されることをお勧めします。

    当事務所では,交通事故無料電話相談・無料メール相談を実施しております。