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  • 画像所見のない頚椎捻挫等の後遺障害認定の考慮要素
  • 画像所見のない頚椎捻挫等の後遺障害認定の考慮要素
    堀江・大崎・綱森法律事務所

    ※この記事を書いた早坂悟郎弁護士は平成27年10月12日をもって当事務所を退所・独立いたしました。

    交通事故の被害者の方の中には,一般に頚椎捻挫等の診断名がつく,いわゆる「むち打ち」症を生じる方が多いです。

    むち打ち症とは,事故の衝撃によって頚部に負荷がかかり,頚椎周囲の組織(靱帯,椎間板,頚部筋群等)に損傷が生じることをいいます。

    CTやMRIで,頚椎などの骨に画像所見が写るものもありますが,多くは軟部組織の損傷にとどまり,画像所見が認められません。

    このように,画像所見が認められなくても,頭痛,首や肩,腕や手の痛みやしびれ,などの神経症状は生じることがあり,これがなかなか治らないということもしばしばです。

    このような画像所見のない「むち打ち症」でも,自賠責保険の後遺障害等級14級が認められる場合があります。

    後遺障害等級の判断にあたっては,以下のような要素が考慮されているものと考えられます。

    (1) 事故態様の重大性

    車の損壊状況などの客観的資料から認められる交通事故態様が重大なものであればあるほど,事故による人体への衝撃が強いことが推定できるので,後遺障害認定にあたり有利に考慮されるものと考えられます。

    そこで,交通事故態様をきちんと証明するために,事故車両の損壊状況を写真に撮影しておくことが重要になります。さまざまな角度,距離から,何枚も撮っておくとよいでしょう。

    (2) 通院の頻度,期間

    通院頻度・期間が少ないと,それほど痛みがなく,治療の必要性も認められなかったのだと判断され,後遺障害認定にあたり消極的な要素となります。また,通院頻度が少ないと,相手方保険会社から,治療費の打切りを早期に求められることが多いです。

    仕事が忙しくてなかなか通院できないなど,ご事情はあるかと思いますが,痛みが続く限りは,出来る限り治療を優先させ,最低でも1週間に1回は通院するようにしましょう。そして,痛みが続く限りは,痛みを医師の先生に訴え,治療を打ち切られないよう求めていくことが重要です。

    画像所見なく後遺障害等級が認定された事案の中には,1年を超える通院後,症状固定となったものもあります。

    また,交通事故後なるべく早期に(出来るかぎり交通事故当日のうちに),病院へ行き治療を受けることも重要です。

    (3) 後遺障害診断書の記載

    後遺障害診断書に,どのように症状が記載されているかも重要になります。

    一例を示すと,以下のとおりです。

    • ・ 訴えのしびれや知覚障害の部位を図示する
    • ・ 深部腱反射,病的反射を記載する(陰性所見も記載する)
    • ・ 握力を記入する
    • ・ 「脊柱の障害 運動障害」欄に,可動域の制限を(たとえ大きな制限が無くても,制限が認められるのであれば)記載する

    このようなポイントを抑えた診断書を,医師の先生に記載してもらうことで,後遺障害が認定されやすくなるといえるでしょう。

    画像所見のない頚椎捻挫等であっても,上記のような要素によっては,後遺障害等級が認定される場合があります。

    そして,後遺障害認定を少しでも有利に進めるため,交通事故に遭い怪我を負った場合には,お早めに弁護士に相談し,アドバイスを受けることをお勧めします。

    当事務所では,交通事故無料電話相談・無料メール相談を実施しております。