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  • 離婚時の親権を巡る争い。弁護士に相談すべきケースとは
  • 離婚時の親権を巡る争い。弁護士に相談すべきケースとは
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    横山 尚幸

    離婚の親権問題についてのお話です。

    離婚協議をする際に子どもがいる場合,子どもの親権が争いになることがあります。

    そこで今回は,親権の判断基準,離婚時のご相談で多い「父親は親権者になれないのか」といった点や,親権問題は弁護士にお願いするべきかどうかなどについてご説明します。

     

    親権とは

    父母が未成年の子を監護,教育しその財産の管理をする権利・義務の総称を親権といいます。

     

    親権の具体的内容は,子の身上に関する権利義務(身上監護)と子の財産に関する権利義務(財産管理)に分けられます。

    身上監護は,監護教育権,居所指定権,懲戒権,職業許可権を内容とし(民法820条~823条),財産管理は子の財産を管理し,かつ,その財産に関する法律行為についてその子を代表(包括的な代理権)することを内容とします(民法824条)。

     

    前記のとおり,親権は権利・義務の総称であり,父母は一定の裁量を持って子を養育することができ,みだりに干渉されないという意味で権利(権限)を有すると同時に,子を適切に養育し健全な成人に育てる義務(責任)を負っています。平成23年民法改正において,親権の行使に関して「子の利益のため」という文言が追加されています。

     

    離婚時の親権の帰属について

    父母の婚姻中は父母はともに親権者であり,原則共同して(父母一致の意思決定の下に)親権を行うとされています(民法818条3項)。

     

    一方,離婚時には父母いずれかの単独親権となり(民法819条1項2項),親権者を定めずにあるいは共同親権を維持して離婚することはできません。

    そのため,離婚協議において親権に争いがある場合,たとえ双方が離婚自体に合意していたとしても協議離婚をすることはできません。

     

    この場合,家庭裁判所に調停を申立てる必要があります。

     

    離婚自体が合意できていることを前提として親権者指定調停を申立てることもできますが,夫婦関係調整(離婚)調停を申立て,離婚自体や親権者のみならず,慰謝料,財産分与,養育費等の協議を行うことが多いです。

    調停でも親権者についての合意が得られないときには,親権者指定の審判で親権者の結論を出したり離婚調停自体を不成立として終了させたりした上で,離婚訴訟の判決で親権者の結論を出すことになります。

     

    離婚時の親権者指定の判断基準

    親権者指定する場合の基準について民法には明文の規定がありません。

    子の利益,子の福祉のために,父母いずれが親権者として適格であるかを判断するといわれています。

    父側,母側それぞれの別居前後の監護の実情及び子との関わり並びに今後の監護態勢が考慮されるといわれています。

     

    具体的には,次のような視点で事情を整理することになります。

    ①継続性(同居時及び別居後の子の生活の安定性や監護者との心理的結びつき)
    ②子の意思
    ③乳幼児時期における母性優先
    ④養育環境の比較
    ⑤きょうだい不分離(きょうだいとの生活によって得る体験は人格形成上重要といわれています)
    ⑥非監護親の面会交流に対する寛容性 など

     

    離婚すると父親は親権者になれない?

    親権が争いになる事案では,相談者の方から「親権は母親が得ることになりますよね。」「父親は難しいですよね。」と質問されることがあります。

     

    かつては,特に子が乳幼児であるときは,母親の監護が不可欠であるとして,原則,母親を優先させる裁判例が多くを占めていました。

    しかし,家庭内における男女の役割の多様化が進むにつれて,あくまでも「母性的な役割」が重要であり、母親優先ではないこと、当然に母親が親権者になるわけではないことが再確認されました。

     

    また,前述②にあるように子ども自身の意思を尊重することも重要です。

     

    私が担当した事案でも,父親に親権が認められた事案があります。

    重要なのは母親であれば当然に親権が得られるわけではないこと,父親であれば当然に親権を失うわけではないことを認識し,同居時・別居後の監護状況や子どもとも結びつきを適切に主張していくことであるといえます。

     

    離婚時の親権争いは弁護士に相談すべき?

    調停や訴訟において,裁判所に自分の言い分を理解してもらうためには,具体的な事実を伝える必要があります。

    もっとも,離婚事件に限った話ではありませんが,ご本人が調停や訴訟で話をする場合,自分の思いを知ってもらいたいという気持ちが強くなり,また具体的な事実と自分の思いを区別することが難しいこともあり,自分の思いばかり伝えてしまい,具体的な事実を説明できないということがあります。

    裁判所に直接自分の思いを伝えたいというのは,当然ではありますが,裁判所に自分の言い分を理解してもらうという観点からすると,必ずしも望ましいとはいえません。

     

    特に離婚事件においては,ご本人は離婚を決意されるまでに様々な経験をされていることから,相手方に対する感情や言い分が強くなる傾向にあります。

    離婚調停や離婚訴訟において,相手方の言い分を聞かされると,「また嘘を言っている」「なぜ否定するのか」という気持ちが再燃したり,一緒に生活していた当時の辛い記憶が蘇ったりし,裁判所に対して,自分が親権者に相応しいことを裏付ける具体的な事実を冷静に説明することが難しくなります。

     

    弁護士が代理人に就くと,十分な打合せを行った上で,調停・訴訟に望むことになるので,調停や訴訟の場で,相手方から言われたことに対して自分でうまく説明できない場合には,弁護士が代わりに説明・反論をすることが可能です。

    相手方から想定していなかった言い分・提案が出された場合にも,法的なアドバイスをその場で受けることができます。

     

    相手方と自分で協議することに不安をお持ち方,裁判所で話をすること自体に不安を持っている方,弁護士のアドバイスを受けながら協議を進めたい方は,一度,弁護士に相談することをお勧めします。

     

    札幌で離婚の親権問題でお悩みの際は当事務所の無料相談をご活用下さい

    当事務所では離婚に関する無料相談も行っています。またキッズスペースも完備していますのでお子様と一緒に相談にお越し頂くことができます。

    親権を巡る争いでお困りの際には、是非お気軽にご相談ください。