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  • 交通事故の請求事例3選。後遺障害の等級認定や賠償額が増額したケース
  • 交通事故の請求事例3選。後遺障害の等級認定や賠償額が増額したケース
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    堀江 健太

    こんにちは。弁護士の堀江です。

     

    今回は、交通事故により障害を負った被害者の方から相談を受け、後遺障害の等級認定や賠償額の増額に至った3つの事例をご紹介します。

    【1】高次脳機能障害で訴訟上の和解により賠償額が大幅に増額した事例

    【2】脊柱変形障害の後遺障害認定につき異議申立てが認められた事例

    【3】非器質性精神障害について判決で交通事故との因果関係が認められた事例

     

    【1】高次脳機能障害で訴訟上の和解により賠償額が大幅に増額した事例

    交通事故により高次脳機能障害を負った被害者の方の損害賠償請求事件で、訴訟を提起することにより、訴訟前に保険会社側が提示した示談金額を大幅に超える内容での訴訟上の和解が成立したケースです。

     

    このケースの被害者の方は、事故当時まだ学生で、人生まだこれからという方でした。

    それが事故に遭って高次脳機能障害を負うことになり、自賠責の認定で6級の後遺障害等級となりました。

     

    当事務所が代理人として入る前に、被告側保険会社から被害者の方に示された示談金は2,000万円。

    保険会社の担当者は、被害者の方に対し「これでもかなり多く見積もっている。これを上回るような示談金は到底出せない」と説明したそうです。

    しかし、この金額は被害者側にも過失があることを考えても、明らかに訴訟を起こした場合に想定される賠償金額を大幅に下回る金額でした。

     

    当事務所が代理人となり訴訟を進めた結果、遅延損害金を含め合計7,200万円の賠償額で訴訟上の和解が成立しました。

     

    任意保険にはそれぞれ保険会社独自の損害算定基準があり、これは裁判になった場合に認められる損害額よりも低く設定されています。

    特に、後遺障害が残った場合など損害額が大きい場合には、任意保険基準の損害額と裁判基準の損害額との間に大きな差が出る傾向があります。

     

    このような場合には訴訟外での示談で終わらせず、訴訟を提起して裁判基準での損害額の支払いを受けた方が得られる賠償額が多くなります。

    ときには、今回のケースのように、何千万円もの違いが出てくる場合もあります。

     

    相手方保険会社から示談案が提示されたら、担当者の話はとりあえず聞いておいて、示談を成立させる前に一度弁護士に相談されることをお勧めします。

     

    【2】脊柱変形障害の後遺障害認定につき異議申立てが認められた事例

    交通事故に遭い、脊柱変形障害の後遺障害を負った被害者の方の自賠責保険後遺障害等級異議申立てを行い、これが認められて8級から6級に変更になった事案です。

     

    当初、自賠責保険被害者請求を行うにあたり後遺障害診断書を提出しましたが、脊柱変形障害については「脊柱に中程度の変形を残すもの」として8級相当であるとの認定でした。

    しかし、後遺障害診断書に記載されている脊柱の幅の数値を計算すると、被害者の方の脊柱の変形の程度は「脊柱に著しい変形を残すもの」として6級の認定がされるべきものでした。

     

    等級認定を担当する自賠責調査事務所の調査員に問い合わせると「後遺障害診断書を記載した医師は、脊柱の幅の数値を適切な図り方で計測していない。当職が、お預かりした画像を正しい方法で図りなおした結果、8級に相当する変形しか認められなかった」とのこと。

     

    医師でもない調査員が計測した数値と、医師が計測した後遺障害診断書の数値と、どちらが信用できるでしょうか。私は後者だと思いました。

    そこで診断書を作成した医師と面談し、計測方法に問題がないことを確認した上で等級異議申立て行った結果、6級の後遺障害が認定されました。

     

    このように、自賠責保険の等級認定は、医師などの専門家ではなく単なる調査員が障害の程度を評価するため、時には信用性に欠ける結果となる場合があります。

    そのような場合には異議申立てを行うことで、専門家により構成される「審査会」で再度審査を受けることができる可能性があり、今回のように等級が変更になることもあります。

     

    後遺障害等級の認定に疑問を感じたら、弁護士に相談されることをお勧めします。

     

    【3】非器質性精神障害について判決で交通事故との因果関係が認められた事例

    交通事故に遭い、これをきっかけに全般性不安障害という精神症状を発症してしまった方について、後遺障害等級14級を認める判決が下された事例がありました。

     

    この方は、事故により脳に障害を負ったという訳ではありませんでしたが、事故に遭ってしまったショックにより外を出歩くことが怖くなり、突然不安な症状に襲われ、動悸、振えが止まらなくなるという重篤な精神症状が生じました。

    事故後間もなく、精神科医師より「全般性不安障害」の診断を受け、抗不安薬等の処方を受けることになりました。

     

    その後、被害者の方は、事故による首の痛みの治療のため脳神経外科病院を受診しました。

    同病院の医師より、首の治療の薬と合わせて、不安障害についても抗不安薬等の処方を受け始めたため、精神科への通院を中断しました。

     

    自賠責の被害者請求を行ったところ、後遺障害認定は「非該当」の結果でした。

    理由は「精神科の専門医の治療について中断期間があり、事故と精神症状との因果関係が認められないため」というものです。

     

    そこで訴訟を提起し、(1)抗不安薬の処方を受け続けており、症状が回復したわけではないこと、(2)被害者の方がつけていた事故後の日記からも不安症状は明らかに見てとれることを立証した結果、交通事故による精神症状が残存しているものとされ、非器質性精神障害として14級の後遺障害を認める判決が下されました。

     

    今回のような脳に損傷が認められない非器質性精神障害については、自賠責は後遺障害の認定に消極的な傾向があります。

    しかし、事故後きちんと日記をつけ、治療のために精神科病院に通院を継続することで、裁判において事故と因果関係のある後遺障害を証明できる場合があります。

     

    ※ここでご紹介した裁判例(札幌地裁平成25年3月27日付判決)が、交通事故の裁判例を紹介する専門雑誌「自保ジャーナル」1899号125ページに掲載されました。

     

    保険会社の示談の提示に疑問を感じたら、まずはご相談ください

    ご紹介した3つの事例のように、保険会社の提示する示談に疑問を感じたらそのままにせず、一度弁護士に相談されることをお勧めします。

     

    堀江・大崎・綱森法律事務所では交通事故無料電話相談・無料メール相談を実施しております。

     

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