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  • 労働条件を定める「就業規則」について
  • 労働条件を定める「就業規則」について
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    種田 紘志

    弁護士の種田です。

    私が前回作成させていただいたブログの記事

    にてご紹介させていただきましたが、
    今回は
    労働条件の詳細を定める規則である
    「就業規則」についてご説明したいと思います。
    常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則の作成が労働基準法上の義務とされております。
    この就業規則においては、賃金や労働時間等を内容とすることが求められています。
    したがって、10人以上の労働者がいる企業においては、個別的に締結する労働契約の他に、就業規則に記載のある事項も労働条件の内容となると言えます。
    この点は使用者たる企業からすれば、多くの従業員について、統一的な運用ができるというメリットがあると思われます。
    (なお、労働者が10人未満の企業において就業規則を作成することは問題ありません。)
    なお、労働契約と就業規則において、労働条件が食い違っている場合、特に、就業規則で定めている条件よりも悪い労働条件が契約上定められてしまっている場合はの労働契約は無効なものとされます。
    例を挙げますと、労働契約において基本給が14万円となっており、就業規則上は15万円と定められているような場合には労働契約が無効となりますので、基本給は15万円となります。
    さて、この就業規則ですが、ただ単に企業が定めておけば良いというものではありません。
    この就業規則は、
    ① その内容が合理的であり、かつ
    ② 作成した就業規則を労働者に対して周知をしている
    ときに初めて有効となります。
    このうち、特に②の「周知」については、労働者が知ろうと思えば知り得る状況にあることを指します(実質的周知といいます。)。
    一般的な例で言うと、社内のパソコンからアクセスできるようにしてあったり、会社の一部に備え付けており、それを全体に回覧しているといった事情があれば周知はなされていると考えられているようです。
    他方、社長室の金庫の中といったところに保管されているようでは、周知はなされているとは言えないと思われます。
    仮に周知がなされている就業規則があれば、思いも寄らぬご自身の労働条件が定められている可能性があります。
    ご自身の労働条件に不安があるときは、是非一度就業規則の確認をお勧めいたします。
    また、就業規則を作ったからこれで大丈夫だと考え、他の従業員の見えないところに保管されておられる企業の方がいらっしゃいましたら、早急に周知をしておいた方がよろしいかと思います。
    次回は、この就業規則が労働者の方にとって不利益に変更されてしまうことを取り上げたいと思っています。