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  • 統計でみる養育費
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    樋口 紗弥

    こんにちは。樋口です。

    今回は、養育費についてご説明します。

    離婚時に養育費について取り決めをしていても、支払いが継続されないということがしばしば問題となります。

    厚生労働省が発表した平成23年度全国母子世帯等調査結果報告(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-katei/boshi-setai_h23/)によると、母子世帯(妻が子どもを引き取った場合)において、離婚した父親から養育費を「現在も受けている」との回答は、19.7%に過ぎません。特に、母子世帯になって4年以降の場合、「現在も受けている」との回答は、15.6%ですので、離婚から年数が経過すると、養育費の支払いが滞る割合が高くなるということがわかります。

     

    それでは、離婚時に養育費について夫婦間で取り決めている割合は、どれくらいだと思いますか。

    上記の報告によると、母子世帯で養育費の取り決めをしているのは、37.7%です。つまり、母子世帯の約6割が、養育費について父親と取り決めをしていないのです。

    養育費の取り決めを行わない理由として、最も多いのが、「相手に支払う意思や能力がないと思った」(48.6%)、次に多いのが、「相手と関わりたくない」(23.1%)です。「取り決めの交渉をしたがまとまらなかった」を理由とするのは、8%に過ぎず、そもそも養育費について夫婦間で話し合いを行わずに離婚するケースが多いことがわかります。

    しかし、養育費の支払義務の性格は、生活保持義務(自分の生活と同程度の生活を保持すべき義務)とされており、たとえパン1枚しかなくても、子どもと分け合うべきというのが、生活保持義務の考え方です。父親の支払能力については、養育費の金額において考慮すべきであり、父親の収入が低くても、養育費を一切支払わなくても良いということにはなりませんし、父親に支払う意思がないというのは、養育費を支払わなくて良い根拠にはならないのは当然です。また、母親の方が、すぐに離婚をしたくても、子どものためには、養育費の取り決めをきちんと行うべきでしょう(もちろん、DVを理由として離婚する場合等は、別に考える必要があります)。

    上記の調査結果によると、母子世帯の母が、子どもの養育費の関係で、誰かに相談したと回答したのは、54.4%、このうち、相談相手として、一番多いのは親族です(43.9%)。「弁護士」と回答したのは、残念ながら12.4%でした。やはり弁護士に相談するのは敷居が高いのかもしれませんが、離婚前、離婚後、調停中どの段階でも、弁護士が関与することは可能ですので、もっと弁護士に相談いただきたいと思います。

    養育費は、法律で認められた子どもの権利です。養育費についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

    次回は、養育費を決める手続についてご説明したいと思います。