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  • 養育費の決め方
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    樋口 紗弥

    こんにちは。樋口です。ようやく札幌も春らしい気候になってきましたね。次々に春の花が咲き、娘との散歩が楽しいです。

    前回の統計でみる養育費では、養育費の取り決めの現状について、ご説明いたしました。今回は、離婚するにあたり、子どもの養育費をどのように定めるべきか、ご説明したいと思います。

    養育費の取り決める際には、「将来養育費の支払いが滞るかもしれない」ということを念頭におくことが大切です。口頭での約束のみ、もしくは書面にとどめただけという場合、養育費の支払いが滞ったとしても、すぐに給料などの差し押さえという強制執行の手続をとることができず、早期の養育費の確保が困難になります。

    あらかじめ強制執行手続を可能にする手続としては、次の方法が考えられます。

    1 公正証書

    離婚と養育費について、合意ができている場合、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成することができます。公正証書の費用等については、最寄りの公証役場にお問い合わせください(日本公証人連合会のHP)。もちろん、弁護士に公正証書の作成を依頼することもできます。

    養育費の支払が滞った場合、公正証書を債務名義(法律で定められた強制執行の際に必要な書類)として、強制執行が可能となります。

    2 調停

    離婚について合意ができていない場合には、離婚調停の際に、養育費は、離婚調停に付随して請求することができます。調停が成立しない場合には、離婚訴訟において、養育費の支払いを請求することになります。

    離婚の合意ができているが、養育費については合意ができなかった場合は、養育費について調停の申し立てを行うことができます。調停が成立しない場合、審判という裁判手続に移行し、裁判官が、養育費について判断します。

    また、養育費について取り決めを行わないまま離婚した場合も、養育費の調停を申し立てることができます。

    調停が成立した際には、調停内容が記載された「調停調書」という書類が作成されます。訴訟においては、判決、審判においては、審判書が作成されます。養育費の支払いが滞った場合には、これらの文書をを債務名義として、強制執行が可能になります。

    もっとも、債務名義があっても、養育費の支払義務者(多くは父親)が、勤務先を退職し、現在の勤務先がわからない場合には、給料の差し押さえはできません。金融機関の口座の差し押さえも考えられますが、口座のある金融機関がわからないことも多いです。

    養育費の支払い期間は、長期間に及びますので、子どもが成人するまで支払を確保するのは、残念ながら難しいケースもありますが、離婚や養育費でお困りの方は、是非一度ご相談ください。