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  • 任意整理における債権者への送金について
  • 任意整理における債権者への送金について
    ほっかい法律事務所
    堀江 健太

    弁護士法人アディーレ法律事務所(以下「アディーレ」と言います。)に対し業務停止の懲戒処分が行われたことがニュースになっていますが、アディーレに債務整理を依頼していて、和解に基づき現在返済中の方が多数おられます。
    業務停止によりアディーレは受任している事件を解除(解約)しなければならないため、アディーレからは依頼者の元に契約解除を知らせる書面が順次送られているようであり、アディーレに依頼していた方々から今後どうしたらよいかという相談が弁護士会の相談窓口に数多く来ているようです。
    当事務所にもそのような相談が何件か来ています。

    弁護士事務所による送金代行

    さて、アディーレでは、任意整理で和解が成立した件について、依頼者から返済金を一括して受け取り、個別の債権者の支払をアディーレが行うという形を取っていたようです。
    この方式だと債権者が5社だろうと10社だろうと一定の金額を弁護士事務所に送金すればよく依頼者にとって簡便なのですが、私が知る限り弁護士事務所が各債権者に行う送金作業について、無償で行っているところはありません。
    1社につき数百円の手数料(銀行に支払う振込手数料ではありません)を支払わなければならず、債権者が少なければ良いのですが、債権者数が多いとかなりの負担になります。

    銀行振込手数料

    また、銀行に支払う振込手数料の馬鹿になりません。
    たとえば、債権者が10社として、住信SBIネット銀行に口座を開設して、ネットバンキングで振り込めば1社あたり154円で済みますが、元々持っている北洋銀行の口座からATMで振り込んだ場合、北洋銀行への振り込みは108円でできますが、他行への振り込みは324円です(本執筆時現在で3万年未満の送金の場合)。
    任意整理で債権者が指定する銀行は、地方銀行ではなく都市銀行が多いため、ほとんどの場合、上記のようなネット銀行と地方銀行で比較した場合、ネット銀行の方が振込手数料は安くなります。

    振込は自分でするのがお得です

    借金返済が大変だからこそ任意整理を行っている以上、少しの手間を惜しんで多額の手数料がかかってしまうのは避けるべきだと思います。
    そのようなこともあり、私の場合、個々の債権者への支払は依頼者様ご自身でして頂くようお願いしており、また振込手数料節約のためネット銀行等に口座を持っていない方には口座開設をお薦めしています。

    任意整理で示談済みの方で、依頼した弁護士事務所に送金を任せている方は、ぜひ一度、事務所へ支払う手数料と銀行に支払う送金手数料でいくらくらいかかっているのか確認されてみてはいかがでしょうか。

    アディーレで任意整理中の方は

    最初の話しに戻りますが、アディーレに債務整理を依頼された方で既に債権者との合意が済んでいる方については、アディーレが契約を解除したとしても、今後の支払を自分自身で行えば良いだけのことですので特に心配される必要はありません。
    以下アディーレのWEBサイトより引用
    「和解済で約定の分割支払いをいただいていた債権者につきましては、合意した条件に従い弁済を行う限り、お客様にご連絡がいくことはございませんので、別途ご案内する書面に従い、お客様よりお支払いいただきますようお願いいたします。」
    引用終了
    ただし、上記に書かれている案内書面が毎月の支払期限までに届かないということも想定されますので、場合によっては直接債権者に支払期限と支払金額を確認する必要があります。
    アディーレでは、電話がなかなか繋がらないことを受けて、昨日よりWEBサイト上での情報提供を開始していますので、そちらもご参照下さい。