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								  交通事故の相手が無保険。修理代や保険料増額分は請求できる? ほっかい法律事務所横山 尚幸※横山尚幸弁護士は令和3年6月30日をもって当事務所を退所いたしました。本記事は当事務所在籍中に執筆したものです。交通事故の被害者になってしまった際、相手側が無保険だった場合、修理代は誰に請求すればいいのでしょうか? もし自分の保険を使って修理代を出すことになった場合は、翌年以降の保険料は増額になります。 そういったケースにおいて、保険料の増額分は請求できるのでしょうか? 今回は、交通事故の際に相手が無保険だった場合の修理代や、保険を使った際の保険料増額分の請求について詳しく解説します。 事故の相手方が無保険(任意保険未加入)だった場合、誰に修理代を請求する?結論から申し上げると、相手方から修理代の全額を受け取ることは難しいと思われます。 相手方が無保険(任意保険未加入)の理由としては、経済的理由が多いと感じます。 相手方が経済的理由で任意保険(対物保険)に未加入だった場合、相手方から修理費を受け取ることは難しいです。 もちろん、法的には、事故の相手に直接請求することができます。 しかし、相手方に対する損害賠償請求権があっても、いわゆる「絵に描いた餅」であり、お金のないところから修理代を回収できないという問題に直面します。 このような場合、被害者の方がご自身の車両保険を使って修理代を賄うことになります。 悩ましいのは、自分の車両保険を利用することで、保険料が上がってしまうことです。 任意保険保険料を決める等級制度の仕組みそもそも、任意保険の保険料はどのように決まるのでしょうか? 任意保険では、等級制度を採用しています(ノンフリート契約)。 契約期間中の事故や保険使用の有無により等級が上下するのですが、この等級に従い、保険料割引率や割増率が異なります。 等級が高い程保険料は安くなる仕組みになっています。 保険加入時には、6等級から始まります。 その後1年間、保険を使うような事故を起こさなかった場合、翌年に1等級上がります。 一方、交通事故などを起こして自動車保険を使った場合には、翌年度の等級は事故1件につき最大3等級下がってしまいます。 簡単に言うと、交通事故で保険を利用し、3等級下がった場合、事故前の等級に戻るためには、無事故を3年間継続しなければならないということです。 事故の相手が無保険だったら保険料増額分は請求できる?保険料が増額してしまった分の金額を、相手方に請求することはできるのでしょうか? 結論としては、否定されることが一般的です。 主な理由として挙げられるのは次のようなものです。 事故後に任意保険を利用するかは被害者側の自由事故後、任意保険を利用するかどうかは被害者側が自由に決められることです。 利用した結果保険料が増額したとしても、それは被害者自身の自由な意思決定によって選択された行動の結果とみれてしまいます。 将来の不安への予防の対価を加害者側に負担させるのは適当でないそもそも任意保険は、交通事故によってどの程度金銭的な負担が生じるかわからないという不安への対処手段として、保険料という対価を支払い予防的に加入するものと考えられています。 事故後結果的に保険料が増額したとしても、将来生じ得る賠償問題の予防の対価を加害者に負担させるのはふさわしくないと考えられています。 「無過失事故に関する特約」があれば保険料が増額しない可能性も交通事故の加害者側が無保険だった場合、基本的に保険料の増額分を請求することはできません。 しかし、保険会社によっては、「無過失事故に関する特約」という特約を付けることもできます。 「無過失事故に関する特約」は、下記のような一定の条件を満たしていれば、車の修理のために自身の保険を使っても翌年の保険料が上がらないというものです。 ・車両対車両の事故(物損事故)である 
 ・保険を利用する被害者側の過失が0である
 ・加害者側の車両の登録番号、所有者の住所や連絡先、氏名が把握できている各保険会社との契約では、その他の細かい条件が定められている場合もあります。 相手が無保険だった場合への対策として、無過失事故特約を付けておくのも良いかもしれませんね。 事故の相手が無保険の場合の修理代について、まずはご相談を!自分の保険を使って修理をした場合、保険を利用することも、保険加入の継続も、被害者側の自由な意思決定によるものとされ、保険料の増額分は請求できないことになります。 無過失事故に関する特約などを使って、過失がない場合に自動車の修理代を自分の保険で出しても保険料が増額しないように対策しておくのも良いかもしれません。 交通事故の賠償問題でお困りの際は、お気軽に当事務所の交通事故無料相談をご活用下さい。 交通事故の電話相談・メール相談は、無料で何度でもご相談いただけます。 また、当事務所のブログでは、法律問題に関するコラムを多くご紹介しています。 合わせて参考にしていただければと思います。 



 
				 
				
