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  • 人身事故における賠償請求の進め方。事件対応の流れについて。
  • 人身事故における賠償請求の進め方。事件対応の流れについて。
    堀江・大崎・綱森法律事務所
    阿部 竜司
    ※阿部竜司弁護士は平成28年9月30日をもって当事務所を退所・独立いたしました。

    皆さんは,交通事故事案(人身事故)で弁護士に依頼すると,どんな形で事件対応が進められ,どういう形で終結し,賠償金を受領することになるのかという点についてご存知でしょうか。

    実際に交通事故被害に遭われたご経験があり,しかもその際に弁護士をご利用になられた方でない限り,なかなかご存知ないのではないかと思います。

    そこで,今回は,弁護士に交通事故事案についてご相談・ご依頼いただいた場合,どのように事件対応が進められるのかという点についてお話ししたいと思います。

    ご相談を頂く段階によって異なりますので,以下,場合を分けてご説明します。

    交通事故事案の一般的な事件対応の流れ

    1,事故直後の段階

    まだ通院も始まったばかりで,賠償金に関する話をする段階にはありません。そのため,この段階でご相談いただいた場合は,以下で説明する治療終了後の示談交渉の一般的な流れ等を説明させていただいて,あとは治療に専念していただくことをご助言申し上げることがほとんどです。

    もちろん,この段階でも,『今後一切保険会社との対応等に煩わされたくないし,いずれにしても依頼しようと思っていたので…』というような理由で,ご依頼を頂く場合もあります。特に,弁護士費用特約がついていらっしゃって,弁護士費用の負担を考慮する必要のない方は,この段階でご依頼いただくことも少なくありません。

    2,治療中の時期

    治療が終了しないと賠償金の内訳を確定することができませんので,この段階でも,被害者の方には,引き続き治療を継続していただくことをまずはご説明させていただいております。

    また,治療が始まってしばらくすると,保険会社から,医療機関に対して診療情報の問い合わせをしたり,診断内容に関する資料を提出してもらうためにの「同意書」というものの作成を求められることが多いです。こういった,保険会社から提出を求められる書類について,作成して問題ないものかどうかといった点についてもご助言をさせていただいております(※ちなみに,この「同意書」は提出しても特に賠償との関係で不利益が生じるような書類ではありません。)

    3,治療終了時期(保険会社から治療費補償の打切りをされそうな時期)

    順調に回復して治療が終了する場合や,医師との十分な話合いの中で,これ以上の治療継続は効果が期待できないと判断し,後遺症が残ったという形で治療が終了する場合については,特に大きな問題はありませんので,下記4の流れに進むことになります。

    これに対し,まだ治療を継続したいのに,保険会社から治療費補償を打ち切られそうだ,という場合には,主治医から保険会社に対して治療継続の必要性を説明してもらうなど,一定の対応が必要になることがあります。それでも保険会社は治療費補償を打ち切ってくる場合がありますが,そのような場合に,治療を継続し,なおかつ最終的に全ての治療費を保険会社に負担してもらうような方法については,7月22日付けの私のブログ記事(「治療費の補償を打ち切られた・・・でもあきらめないで!」)でご紹介しておりますので,併せてご参照ください。

    4,治療終了後

    ここから,本格的に,適切な賠償を受けるための行動を起こしていくことになります。

    以下,後遺症が残った場合と残らなかった場合で進め方が異なりますので,場合を分けてご説明します。

    ① 後遺症が残らなかった場合

    順調に回復され,特に後遺症が残らなかった方については,裁判所の採用する基準を元に,治療期間や治療日数に応じて慰謝料等(主婦の方であれば,主婦としての休業損害も発生します)を算定し,相手方に提案します。

    これに対して,相手方も,弁護士が入った交渉だからといって,必ずしも裁判所の基準による賠償に応じなければならない義務はありませんので,場合によっては金額に関する交渉が行われることになります。

    交渉の結果,金額面で折り合いがつけば,そこで示談成立となります。

    ② 後遺症が残った場合

    この場合は,相手方保険会社を通じてか,もしくは自分自身(※弁護士による代行も含む)で,残念ながら回復しきれず残ってしまった後遺障害がどの程度重いものと評価できるのかについて,損害保険料率算出機構という専門機関に審査をしてもらうことになります。

    審査の結果,「後遺障害等級」という,1~14まである等級(※番号が若いほど重度とされています)がつけば,その等級に応じて,後遺障害に関する慰謝料や,逸失利益(後遺症が残らなければ,将来の勤労によって得られたはずの利益)といった,後遺障害固有の賠償を受けられることになります。

    審査の手続には,その後遺障害の内容に応じて,短くて1か月から,長ければ半年以上かかるケースもあります。
    とはいえ,むち打ち等の比較的軽度な傷害により,神経痛や痺れが残存したというようなケースであれば,概ね1か月~2か月以内には審査が終わることが多いです

    後遺症に関する等級審査の結果が出ましたら,あとは上記①と同じく,賠償額を算定し,相手方と交渉を進めることになります。

    交通事故における賠償請求の所要時間

    上記①,②のいずれについても,賠償額を算定し,交渉を開始してからの所要時間は,(重度の後遺障害が残っているケースや,法律的に意見が分かれうる問題点等がない限り)概ね1か月~2か月程度です。もっとも,交渉では金額について折り合いがつかなかった場合は,紛争処理センターという裁判外の第三者機関によるあっせん手続を利用したり,あるいは裁判を提起するなどして,適切な内容による解決を目指すことになります。

    簡単ではありますが,以上が交通事故事案(人身事故)における大まかな事件対応の流れになります。

    交通事故無料相談のご案内

    今まさに上記1~4のどこかの段階で,弁護士に相談するとどうなるのだろうというご疑問をお持ちの方は,ご参考にしていただければ幸いです。なお,具体的なご相談については,当事務所の電話・メールによる交通事故無料相談をご利用ください。